播州そろばん

ジャッ、ジャッ、ジャッという音とともに、市橋さんが片手に持ったソロバンの枠で玉の入った箱を混ぜるようにすくう。
ほんの数回その動作を繰り返すと、玉はものの見事にすべての軸におさまっている。

ソロバンは玉・軸・枠がそれぞれ分業で作られ、さらにこの組み立て部門で「玉入れ」「枠の打ち込み」「磨き仕上げ」が行われて完成する。
玉はツゲたカバ、軸は真竹や煤竹、枠は黒檀と、すべてが自然木、ほとんどの工程が手づくりである。
小野市のソロバンは全国生産の約7割を占めているが、“電卓”に押されて生産量は昔ほどではない。
しかし磨き上げた美しさに工芸品的な価値が見直されている。