紀州漆器

約600年の歴史を数える紀州漆器は「黒江塗」とも呼ばれ、同県根来寺で発祥した「根来塗」を伝える産地としても知られる。

漆器づくりの工程には木地・下地・塗り・加飾の4部門があり、各工程はさらに3?9段階に分かれる。
一般には分業だが、この道44年の谷岡敏史さんは木地以外は一貫生産で紀州の塗りを伝えている。
「根来塗」は黒漆の下地に朱色の漆を重ね、塗りの「研ぎ」の段階で、スルガ炭を使って所々を削り出す技法。
雲の切れ間のように朱色に黒がのぞく妙味が珍重される。

産地では沈金彫や京蒔絵などの技術を導入し、新しいデザインにも挑戦している。